新潮文庫のアリスと金子國義先生のこと

いま全国の書店で容易に入手できる新潮文庫版の矢川澄子訳 「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の挿画は金子國義が手がけたもので、その装丁を眺めていて久しぶりに金子先生のことを思い出しました。 矢川澄子訳 「不思議の国のアリス」 (新潮文庫) 挿絵:金子國義 もう10年かそれ以上前のことで、おそらく先生ご本人のご記憶にも残ってはいないかもしれませんが、ご縁があって…

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薩摩の国のアリスたち ~ルイス・キャロルと島津斉彬の少女写真

「不思議の国のアリス」の作者としておなじみのルイス・キャロルこと、チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンといえば、その文学の仕事と並んで、黎明期の写真芸術史を彩る数々の作品を残していることで知られています。 写真家ルイス・キャロル (写真叢書) ヴィクトリア朝のアリスたち―ルイス・キャロル写真集 なかでも、「アリス」の物語のモデルとなった実在のアリス・リデル…

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それはスポットライトではない - 浅川マキを悼んで

1999年9月9日発行の文芸誌「Ripple」に寺山修司の詩「裏窓」のイメージ・イラストを描いて掲載したとき、この詩を歌った浅川マキに寄せて、ぼくはこんなコメントを記していました。 昔からなんとなく魅きつけられながらもどこか雰囲気負けしてしまうような気がしていた浅川マキの歌のほんとうのステキさに目醒めて病みつきになってしまったのは、実はこの数年来のことです。 その…

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